成功事例インタビュー:商業施設のイルミ効果とKPI分析

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はじめに:イルミネーションの効果を数字で捉える

商業施設におけるイルミネーションは「綺麗だからやる」だけでなく、集客や売上への効果が期待される施策です。しかし、その効果をしっかり数値で示すことは簡単ではありません。今回は、実際にイルミネーション施策を成功させた商業施設の担当者にインタビューし、KPI分析の結果を伺いました。イルミ導入によって来場者数や売上がどう変化したのか、どんなKPIを設定し検証したのか、生の声とデータをもとにご紹介します。

インタビュー対象施設の概要

施設名: ショッピングモールA(仮称)
所在地: 東京都内(郊外型大型SC)
イルミ実施期間: 2024年11月上旬〜2025年2月中旬(約3ヶ月間)
主な演出: 館内外の大規模イルミネーション(テーマ:「光の街」)、中庭で音楽連動ライトショー、全長50mの光のトンネル設置など。
KPI設定: 来場者数、館内滞在時間、テナント売上、SNS投稿数 など。

今回お話を伺ったのは、ショッピングモールAのマーケティング担当マネージャーであるBさんです。Bさんはイルミネーション企画の責任者として、企画立案から運営・事後分析まで携わられました。

導入背景とKPI設定

Q1.「まず、なぜイルミネーションを導入しようと思ったのですか?また、どんなKPIを設定しましたか?」

Bさん: 「当施設は冬場の平日夜間の客足が伸び悩む傾向がありました。そこで、夜の時間帯に新たな集客コンテンツを作り出す目的でイルミネーションイベントを企画しました。単に雰囲気を良くするだけでなく、具体的な成果を出すことを経営陣に示す必要があったため、最初にKPIを明確にしました。

主なKPIは来場者数の増加率テナント売上への波及効果です。具体的には、イルミ期間中の18時以降の来場者数を前年同期間比で+20%増を目標に設定しました。また、売上については関連する飲食店の売上高が10%向上することを期待値としました。それ以外に、SNS上での話題量(ハッシュタグ投稿数)や館内滞在時間(フロア移動データで計測)などもKPIとして追いかけました。」

補足: 実際、イルミネーション導入によってショッピングモールの訪問者が前年比30%増加したケースもあるとの事例があり、Bさんの施設でも20%増を狙ったとのことです。この数値設定は過去の事例研究や試算から導き出したそうです。

来場者数・滞在時間への効果

Q2.「実際に来場者数にはどんな変化がありましたか?」

Bさん: 「結果から言うと大幅な増加が見られました。当初目標としていた+20%を上回り、前年比35%増という数字になりました。特に顕著だったのが平日の夜間帯です。イルミ点灯前の17時台から人が増え始め、19〜20時台にピークが来るパターンで、通常期よりも明らかに夜の人通りが増えました。

また、館内滞在時間も延びました。イルミ設置前に比べ、一人当たりの平均滞在時間が約15分長くなったデータがあります。例えば、イルミ目当てに来たカップルがお茶や食事もしていくケースが多かったようです。これは施設内の回遊性向上にもつながり、回遊率アップも確認できました。」

データ補足: ショッピングモールAでは、来訪者の足跡データ(Wi-Fiトラッキング等)を使い、平均滞在時間や移動経路を分析していました。その結果、光のトンネルなどフォトスポットを巡るため施設内を回遊する人が増え、結果として複数店舗に立ち寄る割合が増えたとのことです。この「滞在時間増加」「回遊率向上」は、イルミネーションがもたらす付加的な効果として注目できます。

Q3.「来場者属性に変化はありましたか?」

Bさん: 「はい、ありました。普段は家族連れや主婦層が中心なのですが、イルミ期間中は若年層カップルや仕事帰りのOLさんグループなどが目立ちました。平日の夜に10〜20代が増えたのはイルミ効果と感じています。また遠方から車で来られる方もいて、アンケートでは『SNSで見て片道1時間かけて来ました』という声もありました。これまでリーチできていなかった層にアプローチできたことは大きな収穫です。」

このコメントから、イルミネーションが新規客層開拓に寄与したことがわかります。SNSや口コミの拡散で広域から人が集まるケースは多く、ある商店街の例では夜間の人通りが増え店舗売上が20%アップしたという報告もあるほどです。

売上・経済効果へのインパクト

Q4.「テナントの売上にはどのような影響がありましたか?」

Bさん: 「売上面でも好影響が出ました。当初期待していた飲食店売上+10%に対し、実績は**+15%前後だったと思います。特にイルミネーションが見える位置にあるカフェやレストランは、例年にない夜の混雑を記録しました。ある1階のカフェでは、17〜21時の売上が前年同月比で20%アップし、店長さんから『イルミ様様です』と言われました(笑)。また物販でも、お土産ニーズか写真映えグッズかわかりませんが、一部雑貨店で売上が伸びました。全体集計すると、イルミ期間中の館全体売上は前年より8%増加**しました。正直ここまで数字に現れるとは…という嬉しい驚きでしたね。」

この「館全体売上8%増」はかなり大きなインパクトです。事例として、冬季イルミ実施でショッピングモールの訪問者が30%増え、店舗売上20%アップという報告に近い成果が出ています。Bさんの声から、飲食が特に恩恵を受けること、館全体にも波及効果があったことが読み取れます。

Q5.「ROI観点では、イルミネーション投資に見合うリターンが得られましたか?」

Bさん: 「コストと効果を照らし合わせたROI分析も行いました。イルミネーションにかかった費用はトータルで500万円ほどだったのですが、売上増加分(期間中増収額)は推定でその約3倍の1,500万円程度と試算しています。もちろん一概にイルミだけの効果とは言い切れませんが、広告宣伝としては十分ペイしたと言えるでしょう。また、ブランドイメージ向上リピーター増など定量化しづらい効果も考えると、費用対効果は非常に高かったと思います。」

分析補足: Bさんは費用対効果(ROI)についても触れています。イルミネーションは一度設置すると数ヶ月にわたり集客に寄与するため、広告宣伝としては効率が良いとされています。例えばメディック社の情報でも「イルミは長期間集客が持続し、費用対効果が向上する」と言われています。ショッピングモールAでも売上増だけで費用を回収でき、さらにブランド価値向上という無形のリターンもあったと分析しています。

SNS・メディア露出の効果

Q6.「SNSやメディアでの反響はいかがでしたか?」

Bさん: 「SNS映えを狙った甲斐もあり、InstagramやTwitterではかなり話題になりました。公式ハッシュタグの投稿数は期間中に2,000件以上あり、想像以上の拡散でした。実際、SNSを見て来たというお客様も多かったです。また、地元TV局や情報サイトにも取り上げられ、PR効果は高かったです。Instagramではフォロワーの多い地元インフルエンサーさんが訪れて写真を上げてくださり、それがバズって数千いいねを獲得し、『行ってみたい』とのコメントも多数見られました。」

このコメントは、イルミネーションがSNSとメディアで大きな反響を呼んだことを示しています。例えば横浜の有名イルミイベント「ヨルノヨ」はInstagram公式投稿が多くシェアされ話題になりますが、ショッピングモールAもハッシュタグ投稿2000件というのは地方イルミとしてはかなりの数字と言えます。これだけ拡散すると二次的な来場者も見込め、また施設の認知度アップにも貢献します。イルミ点灯式はメディアに取り上げられやすく、認知度向上効果があるとの情報もあります。

Q7.「SNS上でのユーザーの反応や声で印象的なものは?」

Bさん: 「『こんな郊外に綺麗なイルミが!穴場スポット』という投稿があり、一気に拡散されたのが印象的でした。#イルミネーションデート といったタグでも多く投稿されていて、“ここに来ればSNS映え写真が撮れる”という認識が広まったようです。また『毎年来たい』『来年はもっと友達誘う』などリピーター意向のコメントも見られました。いわゆるエンゲージメント率も高く、公式アカウントのフォロワーも期間中に1.3倍に増えました。」

SNS分析では、ポジティブな口コミリピート意欲の表明が読み取れるのは大事な点です。これにより、イルミネーションイベントが一時的な集客だけでなく、施設のファンづくりにも貢献していることがわかります。

担当者の所感と今後の課題

Q8.「今回のイルミネーション施策を総括して、どのように評価していますか?また、次回に向けた課題などはありますか?」

Bさん: 「総括すると、期待以上の成功だったと感じています。来場者数+35%、売上+8%という定量面もさることながら、お客様の笑顔や『来て良かった』という声がたくさん聞けたのが何よりです。KPIで測れない効果として、施設全体の賑わい感やブランド力アップが実感できました。経営層にもはっきりと成果を示せたので、来年以降もイルミ予算を確保しやすくなりました。

課題を挙げるとすれば、平日昼間の誘客です。イルミ効果で夜は盛り上がりましたが、昼間の伸びは限定的だったので、今後は昼のイベントとの連動や、シニア層への働きかけも考えたいです。また、かなり広域から人が来て駐車場が混雑したという副作用もありました。この辺の運営面を次回は改善したいですね。それと、KPIには表れませんが電力コストも上がったので、さらにLED効率を上げるとか、運用時間を調整するといったコスト管理も次のテーマです。」

Bさんの言葉から、成果に対する高い満足度と同時に今後への前向きな改善点が聞かれました。特に、イルミネーションは夜型のコンテンツなので昼間への波及が課題になりやすい点や、成功ゆえの副次的問題(駐車場混雑など)が出る点は興味深いです。また、電力コスト増への対策という現実的な視点も重要で、LEDの省エネや点灯時間短縮などが検討されるでしょう。

おわりに:イルミネーションの価値を数字と声で裏付け

インタビューを通じて、商業施設イルミネーションの具体的な効果が浮き彫りになりました。来場者数35%増、売上8%増という数字は、イルミネーションが単なる装飾ではなく強力なマーケティング施策であることを裏付けています。担当者のBさんも「期待以上の成功」と語り、KPI目標を上回る成果に手応えを感じていました。

また、「お客様の笑顔」や「また来たい」という声など定性的な成果も見逃せません。イルミネーションは人々の心を動かし、施設にポジティブな記憶を刻む力があるようです。それがリピーター増やSNSでの自発的拡散につながり、長期的なブランド価値向上にも寄与すると言えるでしょう。

今回の成功事例は、他の商業施設にとっても大いに参考になるはずです。「投資に見合う効果が本当にあるのか?」という疑問に対し、しっかりKPIを設定・測定すればこのように効果を証明できます。Bさんの施設では、イルミネーションが今や冬の恒例イベントとして定着し、地域の話題を集める存在となりました。KPI分析の結果をもとに、今後さらに施策をブラッシュアップしていくとのことです。

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